国民生活センター 2002年12月6日:公表

           http://www.kokusen.go.jp/news/index.html

● 2002年の10大項目
1.食品についての偽装問題等が続発
2.出資金投資商法で広汎な被害
3.中国製ダイエット健康食品で死亡者
4.多重債務者の相談が急増し、ヤミ金融の問題も深刻化
5.「次々販売」や介護サービス契約をめぐるトラブルに巻き込まれる
  高齢者が増加
6.「アポイントメントセールス」などの相談が増加
7.「ワン切り」や迷惑メールのトラブル続く
8.訪問販売の住宅リフォームトラブルが増加
9.投資型金融商品の被害、後を絶たず
10.消費者契約法は着実に浸透

コメント
1.昨今のデフレ不況で顧客を騙さないともうからないくらい利益率が低い営業体質はどこも一緒。だからと言って詐欺は法的にも道義的にも許せない行為である。今年を含め今後とも再発する可能性が高い。コンプライアンスが果たして機能するかどうか。

2.お金をお金で吊り上げる商法は今も残っている。美しすぎるパンフやオフィスには要注意。初期投資負担増は運営障害となるから。投資勧誘当初は善意でも途中から事業の挫折を自覚するようになりやがて抜き差しなら無くなってくるのでその事実を隠して販売を継続し拠って悪質化するケースもある。善意と悪意が混在する中、それを見極めて投資するのは難しく、自分自信の手による相当な調査が必要である。

3.世田谷にある下剤を混入したダイエット食品製造販売業者が逮捕されました。下痢を催促するのだから、道理でそりゃ、痩せるわな。(^.^)製造物責任を問える相手を選ばないと怖いです。何しろ自分の体内に取り込むものを買うのですから。

4.ヤミ金融は目先のお金をちらつかせながら困窮者を奈落の底に落としこむテクニックをもっております。相手はプロですから借りる側の最初の見極めが肝心なのですが、時間的余裕の無い人がはまってしまいます。現金というのはそれほどまでに魅力的なのです。法律家はあれこれ能書きは教えてくれますが、金額の絶対量と時間の価値については寡黙です。そもそも少額融資制度は事業の性質上誰が経営してもどうやっても高利になりますが、暴力的取りたてなどの違法行為は厳禁すべきです。暴力スレスレを狙ってくるプロに対して警察がすぐ動いてくれないので今後も事件は増大するでしょう。

5.高齢者はプライドが高い反面、ひとたび受け入れてしまうと断れない性質を持っているのでそこを突かれ不用なものまで次々と買わされてしまいます。名簿流用も業者間で活発化している模様。高齢化社会はまだ進行中ですから、この項目も増加するでしょう。

6.アポを取ると成約率が高くなる現象に叩き上げセールスマン上がりの経営者が着眼したもので、電話連絡する女性スタッフと現場のセールスの分業・連携プレーにより効果的売り込みが可能になります。1日にポスティング(チラシ投げ込み)3000枚のノルマを課せられたセールスマンもいるそうです。欲望喚起、電話接触、それから訪問というパターンです。擦り寄ってくるヤツには要注意。良品に過大なるトークは不要。

7.一度成年月日情報をゲットされると、加齢順に七五三、受験予備校、成人式、ブライダル、マンション販売など一生ダイレクトメールが送られてきます。高齢者名簿を入手されると墓地墓石業者と証券投資会社からの電話もひっきりなしで、多い人は毎週10本くらい電話に出るそうです。必要ない人にとっては迷惑そのもの。

8.住宅リフォーム営業被害実績→10万円のペンキ工事で50万円請求された事例があります。改修は表面をはつってみないと配線配管などわからない事が多いので、予め多めに請求しておくことがあります。うまくいけばめっけもんというわけです。高齢消費者は1度認印を押した以上、意地でも約束は守るという頑固さがありそれが被害発見を遅らせたのです。小さな工事は地元の実績がある方に依頼しましょう。また、将来は仕事内容に関する第3者鑑定組織の結成も必要になってくるでしょう。

9.投資型金融商品は夢を売る商売。夢は投資した事業が実際に稼動して現実の売上や利益が確定するまで膨らむ。その膨らんだ部分を買うわけだから脳内バブル状態でお金を放るわけです。  なんとなく納得してしまいがち。

10.まだ消費者契約法の存在そのものを知らない人もいますから継続的広報が大切です。トラブルに直面しなければ何事も親身になって考えないものです。便利な反面、過去より複雑になった現代社会に生きていくには気楽に相談できる人を沢山揃えておきたいものですね。(^.^)

ところで催眠商法は何故番外だったのでしょうか?雑多な日用品をタダで配りまくって、最後に高額羽毛布団を売り付けるというやり方。気持ち良くなって、眠くなって、なんだか朦朧とする中で買ってしまうという。サクラ集めて巧妙なるトークを繰り広げる、実に巧妙なる詐欺スレスレの知能犯です。もうその手は通用しなくなったのか?

                     どる