外観重視主義のイタリアにおいて、その風潮は全土に及んでいる。
ベニスのホテルの瓦屋根には５本の線が一枚一枚に刻まれている。
ホテルの下からでは絶対に見えないし、他の宿泊客も気がつかないほどのものであったが、私は建築方法や
建築部材も見に行くつもりだったので、直ぐきがついた。
そこまで美意識は徹底しているのだ。 すげー。 たまげた。
ゴンドラからみた風景↓
運河の間を縫うようにゆったり漕ぐゴンドラに乗船した。突き当たりの右にアマデウスが下宿していた建物がある。
漕ぎ手は逆三角形の肉体美を誇り、足の長い端整なマスクをした北部のイタリア人。あまりに格好が良いので、つい、妬み心が
むくむくと起き上がり、写真は撮りませんでした。(-_-;)
抜けるような青い空、白い雲、流線型のゴンドラは６人乗りで、アコーデオン奏者と
カンツオーネ歌手が民族歌謡を次々と披露。
アコーデオンはこういうところがぴったりと似合う。
小学校でアコーディオン演奏術を教えても卒業したら使い場所がない日本では見られない光景であります。
下船すればすぐそこはサンマルコ広場と大寺院があり、市民に密着している。
お祭りや彼岸のお墓参りだけしか訪れることのない日本のお寺や神社とは違い、毎日の生活に溶け込んでいる。
地祭り違憲訴訟なぞ起こるはずもない。毎日楽しく神前友好世界中。料金によるサービスの区別はあっても人種による差別はない。
だって皆、お客様ですもの。
しかしよくよく考えてみると広場と境内は概念が違うようだ。
いや、やっぱり同じだ。お祭りでは日本でも飲み食いしているから。
権力と結びついて出来た寺院という過程は日本の仏教導入と同じはずなのに、
どうしてこうも密着度が違うのであろう。
神社の境内で白昼堂々ワインを飲んで、バンド演奏して、食事しているわけで、
日本なら怒られるだろう。
そんなことはお祭りや新年の時だけにしなさい、なんて言われそう。サンマルコ寺院↓ 巨大です。
サンマルコ寺院のアップ。
