その２３　　”コロッセオで殺せ”　　６/２５up

ローマの官庁街のすぐそばにカラカラ大浴場とコロッセオもある。
馬車ですぐのところ。
収容人員５万人で神宮球場みたいな作り。
あれを紀元前から着工していたとは。
構造体は鉄筋コンクリート焼きレンガ積み上げ方式。すごい高さ。
壁に蹴りを入れて見たがびくともしない。

地下に控え室があり、猛獣やら奴隷剣士が待機、その上一面に板を張り、出番が来る
と地下から追い出された剣士とライオンが地上に控える５万人の観衆の怒声を浴びな
がら戦うことになる。エキサイトシーンの連続で死者が出るまで続ける。

紀元後キリスト教が国家公認されてもまだそのエキサイトは続いていた。
全く人権感覚がないかといえばそうではなく、三権分立はしていたが、奴隷は人間と
して勘定されていなかったからかような人権無視のゲームが続いていたのである。
アメリカ映画を見ていても時々かような歴史を彷彿させるシーンに出くわす。
なかなかにその遺伝子は変わらず世界に広がっていることを実感する建物である。

地下２階建て。ここにライオンや奴隷の控え室があった。板でグラウンドが作られていたから地下は真っ暗でろうそくの灯りだけだったが、地上に出されるとまぶしい光と５万人の観客とその轟音たる声援が投げかけられ、かなり興奮したはずである。

↑周囲の風景。公共施設が並ぶ。

正面入り口。無数に空けられた壁の穴はゲルマン人が鉄筋棒を盗み取るためにあけたものだそうです。
つまりこの建物は鉄筋コンクリート造５階建てということ。これを２０００年前に作っていたのです。おどろき。