B型的パーティー�U




パエリアと生ビールの樽とおつまみやらなんやらがごちゃごちゃと大理石のテーブルに並べられたまま、多重債務者救済広告キャンペーン会議の進行は一番年上の友子さんが生ビールでカンパーイ(^o^)と叫んでから紹介して始まった。
楽しそうな雰囲気にのまれないように注意しつつ
マゴタ「ま、会議の前からいろいろと豪華な食事が並んでしまったけど、酔っ払わないうちに、本題に入りましょうか」
友子「あ、まだそんなことしちゃダメ、パエリアが覚めちゃうから、私達会社帰りだからお腹がすいているの」
と言いながらも、持参してきた紙皿を取り出し、先割れスプーンもバッグの中から出して皆に小分けしている。

みさとさんは樽を抱えて紙コップに注いでいる。　　って、もう二杯目をお替りしている。
傍らでみつめるあつみさんも、するめにマヨネーズをかけ、パックに入ったトウガラシも袋の先をハサミで切って皿の横に小さく盛り付けしている。ロ＾ストビーフやプチトマト、
手際良く分担しつつ食べる準備ばっかり。(?_?)

仕方なくマゴタ司法書士が切り出す。
マゴタ「そもそもこの問題が発生したのは法４３条に基づく貸金業者の債務者から得るべき事前承諾が平成１８年の最判で弁済の任意性が否定された事から始まり・・」
友子「あ、みさとちゃん、このスルメ、結構合う、ビールに、(^o^)」
あつみ「ちょっとそこのピザ一口切ってちょーだい」
みさと「あ、ごめん」と、するめを口から半分出しながらナイフで切り始めた。

あー、多分忙しいんだな、皆さん・・(-_-;)
しばらく間を置いて再びマゴタが経緯を説明し始め、「この過払い金を既に支払い済みの元本に充当すると、既に返済済み状態となっているにも関わらず、充当を認めないサラ金が借主たる消費者に対して恰もまだ未済元本が残っているかのように請求をし続けた結果だな、・・・」「基本契約による弁済充当・・」

とーぜん勉強してからうちの事務所に来ているんだろ―な、と思い込み、意思疎通の確認のために復習をしているマゴタ君。
ところがしっかり食べて飲んでる３人は静まり返っているのみで質問も発言もしない。

既に判例や学説、全国で戦いが始まっている現状を分かっているのか、それとも先ず腹ごしらえにと食べに来たのか、広報問題だけに特化して議論したいのか・・不明。

ビールの樽が空っぽになると、友子がまたまた大きなバッグから赤ワインの瓶を取り出して勝手に注ぎ始めた。
あつみ「あらー、かんげきー、友子姐さんたら、気が利くわねー、ピザならやっぱりワインも欲しいと思っていたの」
みさと「そう、パエリアにも合うかも、もう少ししかないけど」と言って、残りを鉄鍋の底からスプーンでかき集めてマゴタに差し出す。

そこでしばらくして、マゴタ君がブチ切れそうになったが、何せ、女子３人じゃ訴訟の話をするにもなにやら分が悪い。
ま：、会社帰りといえどもわざわざ世田谷まで来ているのだからそのうち話があれば切り出してくるだろーと思ってマゴタもワインを飲み始めた。
やかましくしゃべるもんだよ、社内における愚痴、出世しない男のメタボコンテストとランキング、鬱病だとかでしょっちゅう休んでいる課長、週に三日も会社にこないのに900万円以上も年収がある理事、ケバイ化粧の派遣社員おばはん、給与が安いだの担当者数が不足しているとか、パンストが安い店とか、とにかく話があちこちに飛ぶのでついていけないマゴタは、いつしか下を向いてワインをグビグビと飲んでいるしかなくなってしまいました。(._.)


それに引き替えますます盛り上がる女子会。



ビール樽も床にほったらかし、テーブルは積み重ねられたお取り皿や空揚げチキンの骨で盛り上がり、ワインもいつしか２本目の赤が開いているらしい。
酔いが回ってきたマゴタ司法書士も次第にアホ話へお付き合い。
マゴタ「ところでよー、今回の実りある議論を企画したのは誰だったけ？」　　うぃー（*^_^*）
友子「はぁーい　ワタシでーす(^o^)」
マゴタ「広報するんだって新聞に折り込み広告だすんだって、金がかかるぞ。一緒にやろーって、言ったところで資本金がいるだろ、NPOにしろ、会社作ってやるにしろ、それなりに経費がかかるってもんだ。お前らいくら出すんだ？？」
あつみ「あら、それはセンセが出すって、トモコさんが仰ってましたけど、私たち、従業員だから」(^^♪
マゴタ「アレーーっ？？　そんなの聞いた事無いよ。何しろ開業以来３０年間CM経費なんか使ったことないしー人を新たに雇ってまで広報する必要はないでしょ。」
友子「そんな事、やってみなきゃ分からないわよ。困っている人を助ける仕事は重要ですよ。センセならお金持ってるし。私がしっかりサポートしますから。」(^_-)-☆

マゴタ「ひえー、聞いてねーよ、お前らさっきから何者だ？やたらと話題が飛ぶし、最初の話と全然違うし。・・血液型は何だ？」
友子「センセと一緒よ」
マゴタ「するってーと、えーと、O型だな。多分。犬が好きだから。犬は自分の上の者に服従、下の者に隷属を強いる。
まさに組織的生きものだな。
人間でいえば
例えばだな〜　目的に向かってひたすら邁進する強い目的意識。
ぶれない姿勢。
時として
頑固と言われようと徹底的に目標追及。そのためには人の上に立ったり下から支えたりも厭わず・・ってところかな」←ウソ

その回答を横で聞いていて何故か黙りこくる友子。　←ｼｯﾃﾙｶﾓ(^^ゞ

しらけたところで陸自衛生兵出身の派遣の節子が言う。
というより残土捨て場から拾われたという雅恵だったか・・えーと誰だっけ、はい、とうとう酒がまわってきました。

頭を冷やすために冷蔵庫から別の冷えた缶ビールを取り出して、ぐいーっと一気に飲み干した、つもりが、半分で止まった。もう、既にけっこうお腹一杯。→ﾓｳﾄﾞｳﾃﾞﾓｲｲ

あつみ「友子さんはBよ、話が突然変わるから」
みさと「えっ？会社じゃきっちりこつこつと仕事をするからAじゃないの？」
友子はにっこりしながら答えない。←ニンマリ

マゴタ「じゃ、お二人は何なの？」
２人「そろってBでーす」＼(゜ロ＼)(／ロ゜)／

げげっ、それを聞いて椅子から転げ落ちそーになったマゴタ「あー、それだから何の予告電話もよこさずに樽とピザとパエリアを勝手に注文しやがったんだな’(?_?)きちんとアポとらなきゃびっくりするでしょ、こっちだって<`ヘ´>
　もしもし、聞いてんの？」


２人「だって、夕食どきだし、ワインとかあって楽しいほうがいいでしょ、友子さんがそー言ってたもん」
マゴタ「確かに難しい議論が行き詰った時は甘いものを出したり、少しぐらいは飲むこともあるけど、それでもこんなに沢山は食べないぞ。少しは真剣に考えようよ」

少し間を置いて
企画した張本人が自分だとバレてしまった年増友子さんは気を取り直して反撃。
「あら、センセだってさっきからピザの上にパエリアをトッピングして食べてたじゃないですか、どう？美味しかったでしょ？」　　・・だと。

あー〜〜だめだ、こりゃ。反省してない。(-_-)zzz

最後にきっちっと４つ持ってきたデザートのプリンまで配る念の入れようの素敵な３女子なのだが、なんだか楽しいのやらアホくさいのやらで混乱した気持ちでした。ホント。

友子「議論も白熱したので、今度は又招集かけまーす。じゃ今夜はこれで・・楽しい顔合わせ会になりましたね」(^_-)-☆

と、３人はテーブル片付けもそこそこにして、事務所を出て行ってしまった。
残された食べかけのチキンナゲットと私。(;_;)ｳﾙｳﾙ

もーやめてけれー

無計画で行き当たりばったり、顔合わせであれじゃ、もう、組織対応は無理。

B型ばっかりじゃ組織は作ることも維持する事にも向かないようだ。


終わり



追伸：その後、第二回会議開催提案が無かった事は読者諸兄想像の通りでございます<m(__)m>