続・恐喝みたいな　・・

村田さんが同席するという話はまもなくして実現した。

いよいよ出番。果たしてどんな恐喝話が出るのか。
大阪であれだけ脅かされてすっかりトラウマになっているマツキ専務の心は新規プロジェクトにいくら出せというのか、出資話と称して数千万円の支出はやがて返って来ないのではないか、と心配している。

今日はその具体的な話が展開される。
先週のように若手二人組が大阪から上京してきて今度は銀座の高級ステーキハウスで夕食、これだけでも四人で１２万円ぐらいかかっている。
そして二次会から打ち合わせの場所に村田さんが来た。
白髪まじりの真面目な中年過ぎぐらいの方で実に挨拶も紳士的、こーゆーのが一番怪しい、のか？

高級クラブで経済の雑談、なにやら今後はアメリカやユーロより東南アジア貿易が主流になる、との話。
それは新聞報道でも承知している、さて、そろそろ出資話を切り出せよ、と酔っ払わないように注意しながら聞いているが、若者二人も松木専務も相槌を打つだけで資本金や貸付金割合、準備金に半分残そうとかいう具体的数値が出て来ない。
途中でホステスが来ないように止めてからひっそりと始めるのかな？とドキドキしながらも作り笑顔の専務もさんざん飲んでいるが酔っ払っていない様子。

結局三次会まで行って、深夜にお開き。
なんだよ、こら。ちっとも恐喝話じゃないぞ！

松木専務「いや、もう少し付き合ってくれよ、そのうち話が出てくるから、金額は具体的になってないけど、必ず、必ずやられるから、その時は防波堤になってくれよな」(;_;)ｳﾙｳﾙ

相当脅かされた時の印象がひどく、又、こちらから頼んでいるわけでもないが約束通り大阪から来る２人は本社の経費でなけりゃ飲み食いできないぐらいの高額の接待費をもらっている、それだけ経費を賭けているのにまだ具体的な話が出ない、これは実に不思議。
あのサガワのムラタさんもなんだか変。
平気で飲み食いして金も払わずそのままタクシーで帰ってしまう。

司法書士の分は専務が払うとしても、ムラタさんと大阪の２人組の関係は？　親しげに経済関係の話題を巡らす彼らの話を聞いていても横の繋がりが分からない。

今度も午後から銀座に呼び出され、救援同伴したのは延べ八時間に及ぶぐらいの長丁場。

ついに頭にきて「どうやら恐喝されるのではないかというのは貴方の危惧だな、激しい展開にならないようだから私はもう来ないからな、具体的な出資話になったらその段階で書類内容に難癖つけて止めてやるから安心して下さい」

と言って救援同伴飲食ツアーは二回で打ち止め宣言した。
専務も安心したらしく「有難うございます、あとはうまくやります、その時になったらよろしくお願い申し上げます。」
という事でガードマン効果てき面？かどうか不明のまま保留扱いとなった。

その後は待てど暮らせどお声が掛らなくなったので、私も安心して忘れてしまった。
それにしても強迫神経症でもない専務があれほどまで恐れた気持ちが？？？大阪で脅かされた際にも傷害は負っていないし金を払うという内容の念書にサインさせられたわけでもない。

でも、ま、いいや、これで彼も心が落ち着くだろう。(-。-)y-゜゜゜

再び音信不通となり
数年後
西安の採石加工工場を現地スタッフに乗っ取られ、二億円程度の損失を被った話を風のたよりに聞いた。

まさかあの延長で？？

モドル