高齢者経済虐待

先日、８１歳、大正１１年の戌年生まれと名乗る貴婦人が電話してきて、その後すぐケーキを持ってタクシーではるばる訪問してきた。　　
自宅売却の依頼だという。
よく聞いて見ると「つくづく息子夫婦同居するのが嫌になった、自宅を売却して実家へ帰りたい、不動産仲介業者で信頼できる方を紹介してもらいたい」という趣旨だった。
片手に宅建業界本部からもらったメモを携えているが、いざ依頼するとなると心配になったらしい。
言葉尻ははっきりしているが、どこか変？　なので、更にじっくり尋ねた。

すると、息子夫婦による経済虐待状態であることが分かった。

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大牟田市が実態調査

たたく、殴るだけでなく、ののしる、生活に必要な金を渡さない――。
高齢者への虐待の実態が、大牟田市が実施したケアマネジャーや民生委員らを対象にしたアンケートの結果で明らかになった。
同市は、介護についての理解を深めてもらうために厚生労働省が制定した「介護の日」の１１日、市民に「虐待があったら早めに相談を」と呼びかけた。
１３日まで市役所内に「虐待１１０番」を設置して相談を受け付ける。
アンケートは、市が市内の居宅介護支援事業所など８２カ所と、民生委員・児童委員２９８人に用紙を配布して７〜９月に実施した。
回答のあった２９１件のうち、１１・３％にあたる３３件で虐待の報告があった。
虐待の中身は複数回答で、たたく、強くつかむ、殴る、閉じこめる・戸外に閉め出すなど「身体的虐待」が全体の３０％で最も多かった。
続いて、言葉によるののしり、嫌がらせ、脅し、厄介者扱いする、高齢者だけ別に食事をとらせるなどの「心理的虐待」が２９％。
さらに、年金を無断で使う、介護サービスに必要な金を渡さないなどの「経済的虐待」が１９％で、「世話の放任」が１８％と続いている。
虐待を受けている人の８５％は女性で、年齢は８０代が最も多い。
うち６割程度に認知症があるという。
虐待をしているのは息子３９％、娘２２％、配偶者１４％の順。高齢者と独身の息子が同居している場合が多いという。
虐待の要因としては、「虐待者の性格や人格」が１８件と最も多かったが、「介護疲れ」が１２件、「他の家族の無理解・無関心・非協力」も１０件あった。

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その相談者は若い頃、バリバリ働いて世田谷区内高級住宅地に１００坪の土地と家を新築し、息子を育て上げた。夫はエリートで海外勤務が多く不在がちだった。名義人である妻は夫に先立たれた後も元気に暮らしていいたが嫁が出産したころから次第に認知症気味となったが、まだ法的手続きは経ていない。
詳しく話を聞くと次のようなことが分かった。
１．年金は振り込まれる通帳を嫁が握り、カードで出金して息子夫婦の生活費として使っている。私のお金なんだから下さい、と言っても「家族会議で決めましょう」(^^♪とか言って１０万円もらうのに数日かかる。
　　徒歩数分の近さにあり、何の支障もないのに。
２・　食事は別、与えられた部屋は一部屋だけ。自分の家なのになんだか変です。
３．銀行預金は通帳を預かられてしまっているため引き出せない。私が若いころから貯めたのに。
４．権利書も息子に取り上げられて手元にない。売るときには必要なんでしょ？
５．株は孫が入学する際に「必要だから」と言って売られてしまった。もう手元にない。



あー、これは大牟田市で調査した経済虐待っていうやつだなぁ。
今、増えているんです。
孫を連れて実家に帰った際、冷蔵庫を空っぽにしていってしまうちゃっかり夫婦もいます。
多目に見ていると次第につけあがってお金まで持って行きます。
貴方の場合は孫可愛さに永年頼り切っていたのでしょうが、何もかも取り上げられている生活に、もう、嫌気がさしてきたのですね。
物件は売りに出すことは可能ですが、息子夫婦を先ず追い出してからにしないと売値が下がってしまいますよ、
誰だって買主はすぐ使いたいでしょうから、他人が占拠していたら買ってくれませんよ。


先ず、年金振込先の口座を変更してみたらいかがですか？
少しずつ、家庭における存在感を示していかないと、追い出すのは結構時間がかかりますからね。
その間にもいじめられたらうまくいかなくなりますよ。

そう答えたら
今年８８歳になる老婦人は愚痴を言い残して黙って帰っていきました。(;_;)ｳﾙｳﾙ


今後ますます増えそうな相談案件でした。