BMを買った人の物語
１・不動産販売会社社員３０才♂ （以下、全て♂）
買った車の色 不明
購入の背景
→ 自分の金で買って何が悪い、
周りをみても皆乗ってるから会社の同僚に一度乗せてもらっただけで感動してすぐ欲しくなった、
当時は１５人ぐらいの支店であったが営業成績良し、
独身でアパート住まいながら駐車場を借りてBMを手に入れた、
毎日残業してくたびれているからストレス発散にはもってこいだ、
と自分なりの納得した買い物だった。
その後→
賃貸の仲介業務じゃ社内割戻額がないので儲からない、
売買仲介部門に回してくれと支店長に懇願、
謄本や図面とり、重要事項説明書作成などの社内下請けを担当、
時には営業マンにくっついて交渉に出かけたが歩合は期待したほど増えず、
やけになって退職。同僚に聞いても行方知らず。音信不通状態。
２．建築会社専務40歳
買った色の車 黒
購入の背景→ 世田谷では戦後まもなく茨城から東京へ出てきた父親が地道に良い仕事をして築き上げた会社。
よい工務店かどうかは、本社の近場の仕事を多く受注しているかどうかで判断できる。
（ヤッチャバみたいなやっつけ仕事なら遠方の建売がよい。クレームが来てもとぼけるのが簡単だから。）
従業員数５〜６名ながら設計士、現場監督、腕の良い大工などを抱えており、
地元商店街のオーナーが見守る中、
地域の役員もやりつつ信用を固めていたほどのマジメなオヤジが経営する老舗工務店。
２１世紀に入り、住宅建築が大規模化、集約化、高率化の観点から大手建築業者が町場の仕事にまで手を出してくる時代になり、
徐々に仕事が減って先代社長は引退を決意、
最後にしかけた分譲マンションの不良債権を叩き売ってこがねをつくりそそくさと茨城へ帰っていった。
さて、後を継いだ二代目の若社長。
オヤジほどの人格者じゃない。
商店街の建て替えの仕事も声がかからなくなっている。
こんなんじゃ、外車に乗らなきゃ取り立てに行っても馬鹿にされるよ、
と思っていたところ、
幸いにも車好きな女性と結婚したのが運のつき、
景気が傾いているのに強気になって話は一挙にまとまり、2人で仲良くBM購入を決定。(^o^)
その後→
しかし、大手工務店営業部の派手なCMや家賃保証制度などが原因で衰退の一途。
ローンの支払いが嵩み、間もなく 倒産 というより自然解散（つまり客、従業員が少しずついなくなっていった状態、手形の不渡りは出していない）
一時期は施主の依頼で建て替え期間中のアパート代を建築費に上乗せしてあげるなどの新サービスを考案するなどの企画をして大手に対抗していたのだが、
たかがそれくらいの芸で受注増加するわけなし。
BM乗って飛びまわって仕事をしている、というのは錯覚で、単に動き回っていたに過ぎないようだ。
現在音信不通状態で会社は休眠。
３．公認会計士５５歳
買った車の色 グレーの７シリーズ
会計業界のエリートで大手法人の代表社員・海外出張多し
購入の背景→臨時で雇った色白の美人女性秘書さんにいい年こいて一目ぼれ。
彼女とデートするために法人名義で購入
毎朝わざわざ彼女の自宅までBMでお出迎えでルンルンと自慢(^^♪。
仲良く世間話をしながら会社へ出勤。
アフターファイブもゴルフ練習やらホテルのバーで飲むこと多し
その後→二年目にしてひょうんなことから浮気がバレて女性の彼氏から「浮気をバラすぞ」と迫られ
２３００万円を恫喝された。５回しかやってないのにそんなに払ったら１回５００万円になっちゃうよー(;_;)ｳﾙｳﾙ
と、変な割り算をしていた。
その後、傷心のうちにロンドンへ長期転勤が決定
ローンは接待用ゴルフ会員権購入の名目で銀行から借り入れ、７年かかって支払う羽目に
４．税理士事務所職員 32歳
買った車の色 シルバー
購入の背景→税理士試験に挑戦しつつ受験勉強中だが既に７回も落ちていた。
勉強疲れで効率が悪い、気休めとばかりサラ金から借金してディスコやクラブで派手に遊びまわるようになり、
六本木のバーで飲んでいるうちに知り合った女性会社員と腐れ縁状態のまま新婚さんカップルになったが、
決めてはBMに乗っていると言い放ったことだった。
それなら、ねぇ、いつか乗せて欲しい§^。^§と言われ、
思い切ってローンで２５００を購入。
元々自動車が好きだったので一石二鳥という理屈をつけて納得していた。
その後→もともと無理に買ったのでローンの支払いを優先していたらデートの食事代にも事欠くありさま。
BMもよいけれど、たまには結婚前みたいにレストランに連れていって、と、せがむ妻に対し
「釣った魚に餌をやる馬鹿はいない」とイライラ状態を激白してしまい、
口論が絶えず。
酒量も徐々に増加し、親から友人から、ところかまわず寸借する始末。
サラ金から電話が頻繁に掛るし
帰宅すれば督促状が届く毎日になり、
そのうち頭にきて離婚、
加えて飲み過ぎで肝硬変
５．建築会社社長 41歳
買った車の色 グリーンメタ
購入の背景→毎年数棟を受注する手堅い工務店の社長。
４７歳。
新築案件を２〜３立て続けに受注、
増改築の相談も数件抱えていたのでこりゃ大丈夫だ、
あこがれのBMを買ってもいいだろ、
俺も今まで苦労して日に夜に働いてきたんだからそろそろ自分に対してご褒美をさしあげてもバチは当るまい、
と考えた。
女房殿も「経費になるからいいわよ」と納得。
その後→バブル崩壊で受注減、
儲かった年の利益は税金で取られ手元に残らず。
地元の建て替え案件は大手に取られ閑古鳥。
仕方ないからマンションのモデルルームを下請けたり、
大手電鉄系不動産会社が受注した案件を頭ハネ３割で受ける状態で追い込まれた。
もはや、体の良い労働者。
そんな仕事も過当競争でダンピング合戦にてそのうち無くなって、
やばい仕事をするため群馬県へ転居。
一台だけでやめたから、
幸いにも自宅は残ったがBMとはとっくに縁がなくなっていた。
現在四苦八苦状態。(ーー゛)
６・自動車用品販売会社課長 ３５歳ぐらい
買った車の色 黒
爪に火をともす如く貯めた金で黒のBMを
購入の背景→皆勤賞をもらうぐらいマジメなメガネの課長。
高卒ながらずっとまじめに働いてきた。
一時配置転換で来客駐車場係りに配属された時、
格好いいBMに乗ってくる客の姿に感動、
いつか、僕もあーなりたいなぁ、と憧れていた。
帰宅すると独身時代から貯めたお金の使い道をめぐり口論の毎日。
妻は子供ができたら皆で利用できるからマンションを買おうと言い張り、
彼はBMを買いたいと主張。
対立するまま数年たった。
その年はテレビの買い替え需要で売れ行き絶好調。
そのため彼のボーナスが良かったし、会社の業績も伸びていたのでいつかはもっと出世して所得が増えるとぬかよろこび。(^o^)
そこで名案が浮かんだ。
なんだ、マンションを手付金だけで買い、
そこの駐車場にBMを留めればいいじゃん。§^。^§
共稼ぎだから大丈夫。（*^_^*）
手打ち成功。
その後→
そして2人はついに親の家から転居で別居。
駐車場の空きが出るまでとりあえず引っ越しだけして、
車は自宅の親元の駐車場に残しておいた。
しかしもともとマンションは無理して買ったので毎年下がるボーナスではローンが払えず、
夜のアルバイトも始めたので時間がなくなり、
すれ違い夫婦は会話も減って借金返済組織に形を変えていってしまった。
2人は仲良く遊ぶ時間がなくなってしまったので
既に車は使わずに埃だらけでもうナンバーも識別できないくらいほったらかし。
これじゃローンの奴隷であって、とても子供をつくるどころの話じゃない。
夫はローンが焦げ付き友人の名前を借りて払っていたが
やがて借り換えも限度を超えてしまってままならない状態となり、
サラ金から督促を受けた友人から「俺は名義を貸してやっただけなんだからお前！！ちゃんと払えよな！」と、
怒りの抗議を受けるようになり
仕事中も隠れてこっそり言い訳電話をするに至り、
上司から「また離席しているのか、あいつはどこへ行ったか探して来い」とか言われる始末にて
同僚からも嫌な顔をされるようになった。
そんなことだから、
やがて会社にもいたたまれなくなり、
大宮店へ転勤するという名目で単身引っ越し。
離婚してその後行方知れず
７・イベント企業の専務 52歳
色→黒 （職業柄屋外での打ち合わせが多いので冬でも色黒）
購入の背景→
「BM買う金があったら玄関門扉直してよ」という妻の怒りを押さえながら
待望の黒５シリーズをローンで買ったものの
平日はサラリーマンだから仕事では使わなかった。
週末だけぶっ飛ばす。
イベント現場に急行する仕事は我先に手を挙げて行った。
面白いようにレスポンスするアクセルに快感を覚え、病みつき。すっかりご満悦。§^。^§
その後→
関越道で覆面パトに捕まった際、
ヤバイ、
と思ったのはよいが、
快感が後を引いたせいか、何故か無実だ、皆やってる、飛ばしてる、俺だけなんで捕まえるんだ、
と言い張りたくなった。
その言い訳ぶりが警官の質問に抵抗したと思われて書類送検。
仕事発注先の方々や下請け会社の社員などにも
「そんな金があるなら請負単価を上げて欲しい」と無用の要望を受け、
価格面での抵抗や言い訳する時間が長くなり、
いつしか仕事量が半減。
スポンサーさんからも「もっと安く請け負いできるのではないか？」といぶかしげに言われ、
やがて少しずつだが仕事先に新規の発注を切られた。
所得ガタ減りで手放す羽目に。
８・司法書士４３歳
色→不明
購入の背景→
子供がいないので夫婦して頑張って営業していた。
あまりによく働くのであるが、ある時、ふと気が付くと１０円ハゲが出来ており焦る。(';')
働くのもよいけど、注意しなきゃ、理髪店はストレス発見場所だ、
とか言いながらも毎日元気に働いていた。
ストレス解消手段として購入を決断。
金はあるので即金で四桁ぐらいのを思い切って買った。
その後の結果→
関越自動車道で毎週末に繰り広げられるBMスポーツ大会への参加。
練馬から高崎まで３０分で行くレースである。
運転にはもともと自信があったのだがスピード違反で反則するのも怖いし、
初心者なので思い切り飛ばせず、
おいてきぼりになったところをトロトロ追いかけてきたパトカーにタッチされてアウト。
帰宅すると妻に「たまの休みなんだから子供を動物園に連れて行け、ディズニーはまだか、高速代もかかるんだからやめなさい、そりゃアンタはいいわよね、私なんか子供につきっきりで家に帰っても休む暇がないんだからね、BM買うなんてあんたには似合わないよ、そんな金があったら家族サービスせよ・・」とちくりちくりと毎日クレーム。
いたたまれなくなり、たまには海外へ逃げようとして上海出張という名目で遊びに行ったら夜の蝶に梅毒をもらったらしく、
しばらくしたら激痛に伴いコバルト色の小便が出て仰転・(;_;)ｳﾙｳﾙ
９・若社長 年齢不詳 （ひげが濃いけどまだ３０代前半じゃないかと思われる）
購入の背景→
イタリア直輸入雑貨品会社の社長に就任したばかりの若社長。
取引先もファッション関係ばかりだからみなさんオシャレ。
フィアットとかルノーとかはザラにいるが、
フェラーリは一人もいないので出し抜いて自慢したかった。
しかしそこまでの金はない。
募る重いは日増しに高まり、ある時、満を侍して遠方の仕入先との打ち合わせに必要という理由でオヤジ社長を説得、会社名義で買って乗り回していた。
その後→
飲酒運転規制が厳しくなったので代行運転代、駐車違反取締が厳しくなったので大型P利用料。
高速代、燃料費、維持費、車検代など、買った後にもさらにいろいろな経費がかかるので店の売上をつまみ食いしては払っていた。
そのうち駐車違反でパクられ、無視し続けていたら呼び出しが来た。
検察庁での取り調べでおまえら公務員はビンボーだからBMには乗れないだろー、と馬鹿にしたことがいけなかったのか、
厳しく咎められたので腹が立った。
そのまま帰社したところ運が悪いことが起きるもの。
仕入れ先から最近売上が落ちたから他の販売会社へも商品をおろす、
今後は競争しながら売ってくれと独占販売権をはく奪された。
無用なライバルが登場したため以後苦戦。
やがて店の家賃も滞るようになり、
どこからか聞きつけてすり寄ってきたマチキンから２０００万円借りる話に乗り、
担保として店の営業権を取られた。
運転が楽しいらしく、つまらない用事でもそそくさと車で出かける姿を見ている従業員も辟易としていたらしく、
既に社員の心は離れ、
社長がいないと来客対応もそこそこに芸能業界やスポーツ業界の話をだべっているばかり。
責任なきフロアーにはしまりがない。
客に商品の説明をしないのでますます売り上げ減、
借りた金を返す余裕すらなくなってBMとも別れる話になり、
社員とも別れることになって孤独なレーサーに陥落。
現在立て直し中。
１０．菓子製造会社の課長 ４５歳ぐらい
購入の背景→
２０年ぐらい続けてBMに乗っているお金持ちで働き者の社長は、
「俺はケチだ。命が惜しい。だから頑丈な車に乗るんだよ。」というのが心情。
利益もあげているし、なにせ乗りなれているから今や高齢となり自分が運転しなくなってもまだBMが大好きで乗り続けていた。
ある時、事故に遭遇。
社長から「今度のは運転手が事故ったから気に入らない、別のBMにしたい、これは誰かに簿価で売ってしまえ」
と言ってたのを聞きつけ、
頼み込んで安く買い受けることにマンマと成功した＼(゜ロ＼)(／ロ゜)／
その後→
いくら掘り出し物だといっても１５００万ぐらいするロングタイプの特注車だけに５００万円の購入金額は負担であった。
自宅マンションのローンも残っているのに車のローンを併せて払うことになったが乗り心地満点だからほくほくして毎日が楽しくてしょうがなかった。(^o^)
しかし、
期待していたボーナスが不況のお陰で一部カットされ、
なんとかマンションのローンは金をかき集めて払ったものの
BMの分は「そんなもん買って得意になってどーするんじゃ！」と、両親すら支援してくれず、
仕方ないから見つからないように売上金から横流しして急場をしのぎ、
半年先のボーナス払いまで返済を続けていたが、
連続してボーナスカットになったので家計は火の車。
おまけについに社内検査で横領が発覚して解雇された。
会社はお菓子売上業績悪化中にて、常に先をよむ社長はリストラ対策を研究していたのだった。
今はデフレ、社会も経済も減点ゲームの最中。
その第一号に選ばれてしまったらしい。
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今回はマゴタ司法書士の知りうる範囲でBMを買った後に悲惨状況になった方を思い出しながら原因究明を計ってみました。
素晴らしい加速性能、よく効くブレーキ、飛ばせば飛ばすほど路面に吸いつくように安定する足回りなど、日本の道路事情を無視した高性能車にまつわる話。
何故か色は黒が多かったのだが偶然だろうか？
夢を実現した男性たちだが、そうゆう物が心を動かし、
思ってもみない方向へ運命を導いてしまう例ばかりしか思い浮かばないのは何故か不思議。
買ったつもりが動かされていたことになります。
それくらい魅力のある車なんですね、BMってーのは。
わたしゃビンボーなので国産の中古で十分、と、マゴタ先生。
今日もテクテク歩きで通勤です。(^o^) 身内の声→ ﾎﾝﾄﾊﾂｳﾌｳﾀｲｻｸﾅﾝﾀﾞﾖ
モドル