10月31日2時33分配信 毎日新聞
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防衛省の守屋武昌前事務次官（６３）が、防衛専門商社「山田洋行」の宮崎元伸元専務（６９）から東京・赤坂の複数の高級クラブで、多額の飲食接待を受けていたことが関係者の話で分かった。山田洋行側が負担した飲食費は月１００万円を超すこともあったとされ、東京地検特捜部は、クラブ側に売上伝票などを任意提出させた模様だ。特捜部は、ゴルフ接待なども含め、守屋氏に対する利益提供の全容解明を進める方針とみられ、贈収賄容疑を視野に捜査を進めている。
関係者によると、宮崎元専務は長年にわたり、赤坂の高級クラブで守屋氏を接待していたという。隣接したビルに入居する２軒のクラブがよく使われたとされ、多いときは一つの店だけで料金が月額１００万円に及んでいた。守屋氏の妻も、元専務とともにクラブに頻繁に顔を出し、カラオケなどを楽しんでいたとされ、元専務は、別の防衛省幹部も同じクラブで接待していたという。 特捜部もこうした事実を把握しており、これらのクラブから過去数年分の伝票類の任意提出を受けたという。特捜部は入手した資料を分析して、宮崎元専務による守屋氏への飲食接待を詳しく調べている模様だ。 守屋氏は２９日の証人喚問で、元専務から「２００回以上のゴルフ接待を受けていた」と明言。さらに、元専務からゴルフセットを贈られたことや、同行した北海道や九州のゴルフツアーの旅費を支払ってもらったことも証言している。 一方、守屋氏は事務次官時代の０３年、次期輸送機（ＣＸ）エンジンの納入業者を選定する「装備審査会議」の議長を務め、同年８月の会議で、山田洋行が日本代理店だったゼネラル・エレクトリック（ＧＥ）を納入業者に選定したことなどが判明している。 こうしたことから特捜部は、多額のゴルフや飲食接待などの利益提供の見返りに、守屋氏が宮崎元専務側に何らかの便宜を図っていた疑いもあるとみて、慎重に調べを進めている。 |
以上引用終わり＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ところかわって陸軍の富士演習場。
実弾射撃訓練中、不発弾が発見された。
高級官僚は接待回数を覚えていないぐらいズサンだが、現場の数値管理は極めて厳しい。
今は引退してプロレス興行の企画会社を運営しているＡ社長が現役の頃起こった話によれば、現場では大変厳しい実弾管理が行なわれているそうだ。爆薬庫からの搬出、積み込み、現場における配置まで、すべて数字で管理し上官に報告しているうえ、撃った球の数も全てカウントしこっそり寮へ持ち帰ったり隠し持つことが出来ないよう厳格に数値管理されている。
それでこの不発弾は一発発射するごとに命中精度を測定している複数の下士官が双眼鏡で発見し、直ちに訓練を中止するよう命令すると共に、放置しておくと危険なので処理するよう求めた。
その極めて危険な仕事を誰がするか、が問題となった。
責任者である部隊長は偉い方なので動かない。
仕方ないからＡさんの直属上官が口火を切った。
「オレが行く。他に一名、名乗りでよ」
沈黙・・・・
だって、誰がやるにせよ命を落とすかもしれないから。
「誰も着いてこないのか？」
再び、沈黙・・・
堪えきれず、Ａさんが手を挙げた。
「隊長に命を預けます」
決めたらすぐ実行するのが現場の特長である。
準備に入る。
他にも見落としている不発弾があるかもしれない恐怖の野原を、2人で時限発火装置を担いで慎重に下をにらみながら目標方向へ歩く。
無線で後方から位置を報せてくる。もっと右、もっと左と続く。緊張で顔がこわばる。
やがて広い野原の一隅に不発弾を発見した。頭から地面に突き刺さっている。いつ爆発するかわからないので慎重に近寄る。ちょっとした衝撃で爆発する可能性があるからだ。
掘り出して信管を抜くことは出来ない。爆発する恐怖を目の前にしながら二人で発破用爆弾をしかけた。無口で2人は作業をする。手が震え、自由に動かない。極めて怖い。
数分で仕掛けは終わったけど、一生のうちで最も永い恐怖の時間はなかなか通り過ぎてくれない。
怖いので口はこわばり声も震える。手も震える。その緊張感の中で作業は終わった。ようだ。よく覚えていない。恐怖心が記憶を消したのか、注意散漫なのか・・・
それでも３分タイマーが誤作動するかもしれないからまだまだ怖い。五体バラバラになる恐怖感と立ち向かう。悪いイメージばっかりが浮かぶ。普段の数十倍の脳味噌がぐるぐると脳裏を巡っているような感じだ。
仕掛けが終わった。そして後を振り返ることもできずにそっとそっとゆっくりと後ずさりしながら１０Ｍほど離れたところで隊長が大声で「おい、Ａ，走れ〜〜〜」と絶叫する。
「は〜い」というと同時に皆が見守る部隊方面へ向かって2人で全力疾走する。
足元が爆弾の破壊でデコボコなのでもつれる。息も絶え絶えになりながら無事に戻ると後ろから大爆発音が聞こえた。どうやら成功したらしい。
見守る隊員らから拍手が沸き起こる。
2人はげっそりくたびれながら互いに顔を見つめた。
今でも、あの隊長とはお付き合いを続けているそうです。あの瞬間のほっとした笑顔。恐怖の共通体験。それは2人だけしか判らない。体験したものにしか判らない。
その隊長の表情をまだ記憶している。きっと隊長も忘れていないと思う。
永い人生における一瞬の出来事だけど、人のために命を賭けたのはあれが最初で最後だったなぁ、とＡさんは熱燗をちびちびやりながら何故か神妙になる。
モドル