虫が飛ぶぅ2

新潟県短岡バイパス建設工事に係わる用地買収事業にからみ、事前に政治家とつるんで道路計画線を察知して買っておいた、使い物にならない土地を巡る攻防。
その土地は戦中、ドラム缶に原油を汲んで入れる ときに掘った穴の空いた土地であった。ボコボコと埋め戻されること無く無数の穴が開いているので危険で使い物にならない。宅地にも農地にも出来ない。それを道路事前計画を知った会長はこっそりと二束三文で買占めていた。(^ー^)にやっ!
事業が進行するにつれ買収のため度々建設省の用地買収担当者が会長の家や事務所を訪れたが世間並みの安い価格で買収されたんじゃ面白くないと思い、逃げまくりを続けて担当官とは全く会わずにいた。\(*`∧´)/ムカッ!!
そのうち、訪問 回数が増え、「仲良くなったかしらんがうちの番頭とつるんで認印を偽造して用地買収承諾書を捏造して工事を始めた。俺はサインしていない。筆跡は明らかに俺のものではない。勿論その当事は俺の土地の両側までアスファルト道路の国道が出来ていたから担当官は道路建設計画の完成を焦っていたのだろうが、工事承諾書の偽造は違法行為だ。俺は承諾していない」、として直ちに抗議に出向いたのであった。 (`ヘ´) プンプン

「うちの若いのがドリル、スコップ、ツルハシなどを携えヘルメットをかぶって10人ぐ らいで建設省の門を突破したよ。凸(▼ロ▼メ)おら〜威勢のよい奴を掻き集めたんだ。ふん、守衛なんかサラリーマンのお飾りで、クソ野郎だからな、凄みをきかせれば 道を開けるぜ。いきなり建設省と書いてある看板をドリルでこじあけ、看板を持ち去ろ うとしたのさ。そしたらあいつらアワクッテいたな。バリバリやっていたら奥からさらに守衛が10人ぐらい出て きて俺らを取り囲み直ちにやめるように警告したよ。
なにやら警察を呼ぶという。守衛連中らもかなり興奮して警棒を振り回すものも出てきた。ふん、日本刀だって怖くはないぜ、修羅場には慣れているからな。こっちには信念がある。日本の道路行政全般に対する怒りだ。しかし役所はそれを聞いてくれない。強制執行してでも道路を通すという。そんな勝手な話しがあるか。今まで沢山の人が協力を強制されて泣いてきた。弱者の人権を守るってことは大変なことなんだよ。口先三寸の人権論者にはわからんだろうがな」(`_')

警察を呼べっ、という声に

「何っ?警察だって?呼びたければいつでも呼べ!!、こっち は財産を盗まれそうとしたんだ、そんなやつらに堂々と看板を上げさせて居ちゃまずい ぜ、建設省という権力を嵩に着た傲慢な商売を止めさせなけりゃ全国で土地を取り上げられる被害者が続出する。 これまでにも高慢な役人のやり方に困っている人は沢山いる。先祖伝来の土地を道路名目で取られるのはゴメンだ。どうせ通過車両が増えるだけで地元にメリットなどない。騒音や排気ガス対策もなおざりにして置いて、日程消化のための税金を使うことばっかりしか考えていない。無駄な工事は税金の無駄遣いだ」

と総論までぶちあげつつ

「かような民の主張を聞き、今まで多数の行政の横暴に関する被害相談にのってきたの だが、ついに自分の土地に関する問題に至って役人の手前勝手なやり方については頭にきていたんだ。だからここ いらで一発灸をすえてやらにゃいかんと思ったのだ。話すネタはいくらでもあるぜ 」

守衛に取り囲まれても戦闘モードの会長一派はひるむことがない、「お前らじゃ話にならん、もっと上を呼んで来 い、!」と大声を上げ、役人に偽造された道路工事承諾書を高く掲げて談判、その凄みにサラリーマン守衛部隊はひるむ、たじたじと後ろ足になる。どうやらタダの暴漢ではなく政治的主張があるので厄介な問題だということに気がついたらしい。やがてイヤイヤノコノコ登場してきた係長、課長、部長、参事までが説得を試みたが、あの怖い顔で次々と論破されてしまった。
更に「上を出せうえを!」の罵声飛び交う中、会長直々に目先の木っ端役人の説得に入り建設省の門前と中庭には黒山の人だかりが出来た。
通行人も立ち止まって見ている。
警察はまだ来ない。
もし偽造文書が本当に建設省の出先機関によることが判明したら全国的にとんでもない問題に発展する可能性があるので慎重だった。変化球に弱い体質が露呈した。

だから「上」も右往左往しているだけで目新しい動きがない。
どうやら偽造文書のコピーを守衛係りに渡してあるので、「上のほう」がその真偽を短岡建設事務所の担当者へ照会している時間がかかっているらしい。

鮫の目会長「あいつら、責任の擦り付け合いをやってるな、それがはかばかしくないから対応が遅いんだよ。」





そして論破数時間を経て、ついにはるか上に陣取る建設事務次官室へと呼び込まれ、そこで長々と基本的人権を侵害された事実を述べまくり補償を求めた。
その要求内容は金銭補償によるものではなく、なんと富士山の大沢崩れ地区 における指定工事業者選定の権利だった。それが代償であって、それ以外の金銭要求はしないとい う。 「あんたらも国のために働いているんだろう、わかるよ、その立場」などと恫喝の中にも時折正論や全国から集めた具体的被害事実そして相手を理解するような優しい言葉も混ざって出てくるのでどうも捉えどころがなく、タチが悪い。T(;_;)Tオテアゲェー

孫太司法書士は話の途中で疑問を持ったので思わず「土留め工事でしょ?そんなもん指定権をもらったところで何かの役に立つのですか?」と尋ねる。もし仮に仕事をとっても人区はかかるし経費もかかるのため事業利益は薄いのだから金銭保証を求めたほうがよいのではないかと思ったからだ。 ところがそんな一時金ははした金であることがわかる。 会長の説明によれば富士山を押さえれば全国の指名業者選定の中で随意契約で仕事がとれるというのだ。 だから補償内容は無限となり埼玉県の土木談合やその他全国的に頻発している談合問題全てに介入できるらしい。つまり使いようによっては全国制覇も視野に入れることができるというもの凄い権利なのだ。しかもその証文は首長など地方自治体のトップクラスにいきなり突きつけられるものだから威力百倍だ。(県の事業でも国の補助金に頼っている)しかし反面各地の 談合による落札業者の順位表が大きく崩れることになるので談合秩序が滅茶苦茶になるし地方議員の面目も丸つぶれになるため大問題となる。実は使いようによってはそれほどの横槍となる。\(゚.゚)/ ドヒャー!

だから建設ジム次官は絶対にそのような詫び状は出してはならないのだ。過去に福岡の課税ミス事件で○岡国税局長がこっそり詫び状を出したばっかりにその後全国で相続税を減らしたい資産家からの脱税指南の仕事が殺到したということがあった。(十二社事件についてはそのうち書きますが)勿論営業部隊が資産家の葬儀を見てレポートしてくるのがきっかけで、実際には営業部隊が葬儀終了後におもむろに節税対策として提案するようだ。(^_^;)\('_') オイオイ


今回は会長がそれらの話を聞きつけて金銭補償ではなく富士山大沢崩 れの工事落札権を主張したようだ。 (⌒‐⌒)にんやり

議論の攻防はやがて夜戦に入っていた。上階の特別応対室の前には看板取り外し工事に必要な道具を持った若いモンが陣取り、会長をしっかりガードしている。凶器との認定は出来ない。交渉は暗礁に乗り上げていた。(T.T ) ( T.T) ダレカ-   やがて誰が呼んだか、室内でどなりまくる会長に手を焼き、事務次官室長が狼狽している時に黒塗りのハイヤーで政府高官が駆けつけてきた。次官は既に危機的状況を察知し、部下の計らいで部屋を脱出していた。ニゲチャオーット...((((( ((;^^)
政府高官とは誰か?実はこの事件のずっと後で、自宅に隠していた金の延べ棒が発見されたため脱税事件で槍玉に上げられた銀丸氏だった。彼が総理を連れて夜半に到着したのである。
元幹事長だけに睨みには迫力があったが鮫の目会長は当時絶好調なので負けてはいない。地方建設事務所長の偽造文書は司法判断の対象としても有力な証拠となることは間違いなく既に事務官が電話で偽造したことを認めていたからだ。

鮫の目会長「一体どうしてくれるんだ?」と解決代案を求めるものの、総理は扇子でパタパタとあおぎながら天井を見つめたり壁にかけてある絵を眺めたりそっぽをむいている。一言もしゃべらない。
総理を左に見ながら鮫の目会長は右に座る銀丸幹事長が二億円でなんとか治めて欲 しい、と政府保証小切手を両手で高々と差出している姿を見る。平身低頭、まるでコメツキばったのようにペコペ コと頭を下げている。m(_ _)m  何度も何度も繰り返して部下の不祥事を詫びる。そのしつこさったら、かつて経験がないほどのマメな動き。
「うーん、ベストコンビだな、この二人は、と思った。」 ついに深夜に及ぶ交渉の結果、地価の10倍近い金額を補償費として売却代金とは別に受け取り、公共工事入札に関する特別の詫び状をもらうことを断念した。

さめのめいわく「謝り倒されちまったよ、さすがだな一国のトップは・・」(~ヘ~;)ウーン

「引き際が肝心だ。警察も下で待っているらしいし。ここでもらえば示談成立だから警察も返してやれるな。」ウッシッp(^0^)q

部下らと共に建設省を後にした鮫の目会長はその日未明に祝杯を上げた。(*^▽^)ノ彡☆ばんばん!・・そうだ。・:*:・`☆、。・:*:・`★   .。・:*:・`☆、。・:*:・`★


さめのめ会長のお話は
to be continued

この中ではまだだけど、
虫はやがて飛ぶことになる。ウィスキーのポケット瓶を服にしのばせてちょびちょび飲みながら気勢を上げる手法に限界が出てくるのだ。

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